top of page

キリストは再び十字架に

(Ο Χριστός Ξανασταυρώνεται)

 カザンザキスがフランス・アンティーブに住んでいる時にギリシア語で執筆された、彼の主要作品の一つ。初版は1948年に出版された。小説の舞台はオスマン統治期の小アジアに位置するギリシア人の村。四年に一度のキリストの受難劇に備える主人公たち。そこに戦災に巻き込まれたギリシア人難民たちが東方から村にやってくる。既得権益を持つ村人や自分たちの生活を変えたくない村人たちは、難民たちが疫病をもたらすと言って彼らの受け入れを拒否する。そして村人たちの中にあって正義のために難民の側に立とうとする主人公たちは、受難劇さながらにその身を犠牲に捧げていくことになる。

 日本語でも藤下・田島訳(2017年)」、児玉訳(2003年)」、「福田・片山訳( 上巻  ・  下巻 1998年)」の三つの翻訳が存在し、またジュール・ダッサン監督で「宿命」のタイトルで映画化されている。

bottom of page