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兄弟殺し』(Οι Αδερφοφάδες)

 カザンザキスがフランス・アンティーブに住んでいる時にギリシア語で執筆された作品の一つ。カザンザキスの生前に出版されることはなく、彼の死後に出版された。作品の構造やプロットはほぼ同時期に執筆された『キリストは再び十字架に』と大きく重なる点があり姉妹小説と言えなくもないが、小説の背景には、執筆当時のギリシアで展開されていたギリシア内戦が反映されている。ギリシアは王党派の黒ベレーと共産主義の赤ベレーに分断され、友人、家族、父と子で愛憎の入り混じった殺し合いが続いていく。

 日本語訳にはフランス語から翻訳された「井上訳(1978年)」が存在する。

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