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『ロシア文学史』(Ιστορία της ρώσικης λογοτεχνίας) 

 ソヴィエト・ロシアを後にしたカザンザキスが、1930年に滞在先のゴッテスガープ(現チェコ共和国のボジーダル)で執筆した作品。この作品においてカザンザキスがロシア文学の特徴を考察したうえで、ロシア文学の起源から1920年代までのソヴィエト文学に至るロシア文学史を体系的に記述した。ギリシアの共産主義運動や左翼運動に携わったギリシア人活動家たちが目にしたロシア文学史の体系的な書籍であると推測されていることに加え、ギリシアでも極めて初期に他国の文学史をその起源からその当時の現在に至るまで体系的に記述した貴重な一冊である。

 この『ロシア文学史』全体の訳は現在のところ存在しないが、序文から三章までの抄訳が学術雑誌「東方キリスト教世界研究」第二号と第四号に「福田訳(2018年2021年)」として第六章までの抄訳が存在する。

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